MMT は何が間違いなのか?
著 : ジェラルド・A・エプシュタイン
COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) で現代貨幣理論 (MMT) への関心が高まった
MMT 派の経済学者が言う次のような主張には賛成
各国政府は大胆な財政政策を打ち出すとき
中央銀行による大規模な政府債務の貨幣化 (debt monetization) によって、今回の感染症拡大への対処に伴う過剰な政府債務や増税を避けながら、巨額の財政支出を行うとき
多くの国で、それを行う条件は整っている
MMT のマクロ経済政策アプローチの問題点
ハード・カレンシーとソフト・カレンシーの違いを十分に認識できていない
金融不安定性の危険性について関心を寄せていない
各国のマクロ経済政策運営上の課題
1. より望ましいマクロ経済政策を実施するためには、複雑でグローバルな金融市場を制度的な側面から理解する必要
2. 現在、「MMT モーメント」 とも呼ぶべき状態が到来しているように見えるかもだが、これらのマクロ経済政策の表面化で起きていることと、その政策の限界を認識することが重要
1 章 現代貨幣理論の台頭
現代貨幣理論
MMT 派は緊縮財政政策を批判
主流派が緊縮財政政策を支持